TOPに戻る

中出阪蔵  ’60年代製 メープル総単板 
   




中出阪蔵氏
は日本のクラシックギター製作の発展において、最も功績の大きい第一人者であり、
多くの弟子を指導し現代のクラシックギター界の礎を築いた名工でした。豊かな低音と、アタックのあるキレの良い中高音のバランスが魅力です。
もちろん細部に渡る作り込みも秀逸で、同時代の他のギターには比較するものが見当たらないと思います。
中出阪蔵氏は、1993年頃(88歳)に亡くなっております。(’63年で55歳)

「中出」という苗字の製作者は、沢山いらっしゃいます。
日本ギター黎明期の製作家でヴァイオリン作りで有名な宮本金八さんに師事なさったのが、中出阪蔵さん。
中出六太郎さんと、阪蔵さんはご兄弟。
阪蔵さんのご子息は、輝明、敏彦、幸雄さんで、六太郎さんのご子息は治さん、
ギター製作家で、今はご子息たちがご活躍だと思います。

門下生で現役は井田英夫、稲葉征司、田中俊彦、星野良充、
(同門の今井博水さんは1997年49歳で病没)

(ネット情報抜粋させて頂きました。)    

このギターは 明るい感じがするボサノバが似合いそうな素晴らしい音色でした。トップ松 楓(メープル)総単板でした。

手元に来た時は下の写真の様に、焼けただれた様な、可哀想な状態でした。
これは自身で全面リペアーし蘇りました。塗装はセラックニスで施しました。
 



中出阪蔵  ’57年代製 メープル総単板 A.torres Modelo 

   


中出阪蔵  ’66年代製 B5 ローズウッド総単板
 

 

   
   

 
河野 賢 Masaru Kono #729 1963年製 オール単板 。
スペックは,弦長650mm,トップは松単板,サイド・バックはローズウッド単板,
指板はエボニー、ナット幅は50mm,
ネックの反りはほとんど無い様に思いました。
スペイン修業時代に制作されたギターです。
この時代のラベルにはKonoで後にKohno となる訳です。
品番もこの時代は価格とのつながりのない制作番号に成っている様です。
私が初めて手にした河野賢のギターです。

 1926年 水戸で生まれる。1948年 東京高等工芸学校木材工芸科(現:千葉大建築科)
卒業と同時にギター製作を開始。1960年 スペインに渡りギター製作を学ぶ 1967年
ベルギーに於ける国際ギターコンクール(エリザベートコンクール)で金メダルを受賞
。1998年12月13日 腎盂がんのため死去。卒業制作の為ギターを作ったことが契機と
なって独学でギター作りを始める。ギター製作とギター音楽の振興にその生涯をささ
げた。(株)現代ギター社の創立者でもある。


 
 
  
  
      
      

HIROSHI TAMURA 田村 廣 1981年製 No,20(当時定価20万円)
アグアドヘッドを持つハカランダの総単板です。
素晴らしい音色のギターでした。

田村満氏は弟に成られます。田村兄弟は著名な高知で製作するギタールシアーで、フラメンコギターは有名です。
村 廣 1981年製 No,10(当時定価10万円)









中出 敏彦(1932年生まれ。) '75年製 No.2000ss ハカランダー総単板
昔よく高級ギターに使われていたヘフナーの高級ペグ付きでした。

このギターにはトップとバックの割れをリペアーネックの順ぞり修正を
施しました。





中出 敏彦(1932年生まれ。) '75年製 No.2000ss↑↑
父の中出阪蔵氏に学び、スペインに渡り名工、アグアド、エルナンデスに学ぶ
ギターの生命は音質であるというアグアドの魂を受け継いで、アグアド・トーンに情熱を注ぎ続けている。
 スペックは、表面板:スプルース(松)単板、横・裏:ハカランダ単板で、
全単板です。弦長:650mm、弦高は、1弦12F:3 mm、6弦12F:3 mm、
これまた素晴らしいギターでした。




中出六太郎 A5 1965年製  ハカランダ総単板の逸品↓↓













中出六太郎 A7 1970年製 ローズウッド総単板


         
    









      中出六太郎 A3 1966年製 ローズウッド総単板
 








      中出幸夫 ’87年製 No,30 ハカランダー総単板
               シャラーの高級ペグが付いてました。





___________________________________


≪加納木鳴(1895〜1972 )KANO MOKUMEI 幻想 総単板 クラッシックギター≫   
大変古いギターで1960年頃の作品と思われます。手元に来たときは悲惨な
状態でした。
全体を塗装剥離しラッカーで薄く仕上げ修復しました。
ヘッドの糸巻き部分に欠落があり木を埋め込んで圧着しています(写真参照)。
糸巻きはゴトウの新品に交換しました。
トップのブリッジから下までの割れを裏に木片を張り膠で修復しています。
サウンドホールの飾りリングに一部欠落が有ります。
このギターは枯れて、とても良く鳴っています。特に低音は深遠で柔らかくなかなか魅力ある音色です。
【弦長:665ミリ/ナット幅:53ミリ/
表面板スプルース単板 サイド・バックローズ単板 指板縞黒檀です。ボディの縁取りに楓を挟んだ手抜きの無いギターです。

加納木鳴氏の楽器は美術品としてベルリン博物館で長く所蔵展示してあったことで有名です。日本ギターの草分けで
、加納木魂氏はご子息です。





    塗装剥離をした状態です ↑↓



 

 
 

____________________________________

           茶位幸信 1972年製 No.8
         







    黒澤常三郎 1961年製 楓 総単板
 黒澤楽器の創設者でも有ります。メープルらしい明るい音色で
 なかなか魅力的なサウンドでした。
  黒澤の量産品とは全く別物でした。